玉手箱

春やあけぼのにうかびいる
青いもりにすむとりのふく
草のふえについさそわれて

水にうまれたとひとのいう
空にこだまするうたにのり
踊りまわるなみゆらめきて

影にひそみたちみたはずの
海のさおとめのなみだする
遠いおもいではおいやりて

夢ははねのあるこらにやり
枝にもものみのみのるまで
野にあるぼたんながめいて

美しさけをにるこよいより
昔のむかしまでそぞろゆき
土にまみれればつきやほし

広きみちゆけばかぜのまま
花はさきちりてたびするに
遊べまなべとてつたえなむ

時によみがえれまだこぬへ
此によみがえれまだみぬに
渡れよいやさとこおらさと

舟をいだすとてきてみれば
鶴がたけかめとうめをまつ
是はおめでたやたまてばこ
